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の一に云わく「華厳の下は、引いて理の斉しきことを証す。故に、華厳に初住の心を歎じて云わく『心のごとく仏もまたしかなり。仏のごとく衆生もしかなり。心、仏および衆生、この三つは差別無し。諸仏はことごとく、一切は心より転ずと了知したまえり。もし能くかくのごとく解せば、彼の人、真に仏を見たてまつる。身もまたこれ心にあらず。心もまたこれ身にあらず。一切の仏事を作すこと、自在にして未曽有なり。もし人、三世の一切の仏を知らんと欲求せば、応にかくのごとき観を作すべし、心は諸の如来を造ると』。もし今家の諸の円文の意無くんば、彼の経の偈の旨、理として実に消し難からん」。
小乗 四阿含経
三蔵教 心生の六界 心具の六界を明かさず
大乗
通教 心生の六界 また心具を明かさず
別教 心生の十界 心具の十界を明かさず
思議の十界
爾前・華厳等の円
円教 不思議の十界互具
法華の円
止の五に云わく「華厳に云わく『心は工みなる画師の種々の五陰を造るがごとく、一切世間の中に
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(060)八宗違目抄 | 文永9年(’72)2月18日 | 51歳 | (富木常忍) |