832ページ
文句の十に云わく「正因仏性〈法身の性なり〉は本・当に通亘す。縁・了仏性は種子本有なり。ただ今のみにあらざるなり」。
法華経第二に云わく、
「今この三界は、皆これ我が有なり」 主 国王・世尊なり
「その中の衆生は、ことごとくこれ吾が子なり」 親父なり
「しかるに今この処は、諸の患難多し。ただ我一人のみ、能く救護をなす」 導師
寿量品に云わく、
主 国王 報身如来
「我もまたこれ世の父」文 師 応身如来
親 法身如来
五百問論に云わく「もし父の寿の遠きを知らずんば、また父統の邦に迷う。いたずらに才能と謂うとも、全く人の子にあらず」。また云わく「ただ恐る、才一国に当たるとも、父母の年を識らざるを」。
古今仏道論衡〈道宣の作〉に云わく〈慧遠法師、周の武帝を詰する語なり〉「三皇已前はいまだ文字有らず○ただその母のみを識って、その父を識らず。禽〈鳥等なり〉獣に同じ」等云々。
俱舎宗
成実宗 一向に釈尊をもって本尊となす。しかりといえども、ただ応身に限る
律宗
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(060)八宗違目抄 | 文永9年(’72)2月18日 | 51歳 | (富木常忍) |