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の中にはいずれぞや。
一義に云わく、能開・所開の中にはいずれぞや。
一義に云わく、開会の後、善悪無しと云うか。
一義に云わく、天台宗は法華を信ずるか。
一義に云わく、開会の後は諸宗を簡ばずと云わば、天台大師は僻事なるか。その故は南三北七云々、伝教大師は六宗云々。
一義に云わく、天台宗は悪行をも致すべきか。性悪不断と云うが故に自語相違なりと責むべきなり。
一義に云わく、開会の後に権実を立つる人は僻事なるか。しかれば、薬王の十喩、法師の三説超過云々。
一義に云わく、この故に、開会の心をもって慈覚は法華を謗ずるか。
一義に云わく、汝は慈覚の弟子なるか。しかれば謗法は治定なるか。
問う。善悪不二・邪正一如の故に、あながちに善悪を云うべからざるなり。元意の重これなり。
答えて云わく、天台の出世は悪を息めんがためか、また悪を増さんがためか。
一義に云わく、悪事を致せとは、法華経二十八品の中にはいずれの処に見えたるや。
問う。絶待妙のこと。
答う。一義に云わく、まず文段を問うべし。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(058)早勝問答 | 文永8年(’71) | 50歳 |