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ああ、世法の方を云えば、違勅の者と成り、帝王の勅勘を蒙り、今に御赦免の天気これ無し。心有る臣下万民、誰人か彼の宗において布施・供養を展ぶべきや。仏法の方を云えば、正法誹謗の罪人たり。無間地獄の業類なり。いずれの輩か念仏門において恭敬・礼拝を致すべきや。庶幾わくは、末代今の浄土宗、仏在世の祖師たる舎利弗・阿難等のごとく、浄土宗を抛って法華経を持ち、菩提の素懐を遂ぐべきものか。
日蓮 花押
(052)
蓮盛抄(禅宗問答抄)
建長7年(ʼ55) 34歳
禅宗云わく、涅槃の時、世尊座に登り拈華して衆に示す。迦葉、破顔微笑せり。仏言わく「吾に正法眼蔵、涅槃の妙心、実相無相、微妙の法門有り。文字を立てず、教外に別伝し、摩訶迦葉に付嘱するのみ」。
問うて云わく、いかなる経文ぞや。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(051)念仏無間地獄抄 | 建長7年(’55) | 34歳 | |
(052)蓮盛抄(禅宗問答抄) | 建長7年(’55) | 34歳 |