671ページ
謗法の罪なり。譬えば、三千大千世界の草木を薪となすとも、須弥山は一分も損じ難し。たとい七つの日出でて百千日照らすとも、大海の中をばかわかしがたし。たとい八万聖教を読み、大地微塵の塔婆を立て、大小乗の戒行を尽くし、十方世界の衆生を一子のごとくになすとも、法華経謗法の罪はきゆべからず。我ら、過去・現在・未来の三世の間に仏に成らずして六道の苦を受くるは、ひとえに法華経誹謗の罪なるべし。女人と生まれて百悪身に備うるも、根本この経誹謗の罪より起これり。
されば、この経に値い奉らん女人は、皮をはいで紙となし、血を切ってすみとし、骨を折って筆とし、血のなんだを硯の水としてかきたてまつるとも、あくごあるべからず。いかにいわんや、衣服・金銀・牛馬・田畠等の布施をもって供養せんは、もののかずにてかずならず。
(047)
神国王御書
建治元年(ʼ75)*
夫れ以んみれば、日本国は、また水穂の国と云い、また野馬台、また秋津島、また扶桑等云々。六十六国・二島、已上六十八箇国。東西三千余里、南北は不定なり。この国に五畿七道あり。五畿と申すは、山城・大和・河内・和泉・摂津等なり。七道と申すは、東海道十五箇国・東山道八箇国・北陸道
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(046)善無畏抄 | 建治元年(’75)* | ||
(047)神国王御書 | 建治元年(’75)* |