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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(041)

顕立正意抄

 文永11年(ʼ74)12月15日 53歳

 日蓮、去ぬる正嘉元年太歳丁巳八月二十三日の大地震を見て、これを勘え定めて書ける立正安国論に云わく「薬師経の七難の内、五難たちまち起こり、二難なお残れり。いわゆる他国侵逼の難・自界叛逆の難なり。大集経の三災の内、二災早く顕れ、一災いまだ起こらず。いわゆる兵革の災なり。金光明経の内の種々の災禍一々起こるといえども、他方の怨賊国内を侵掠する、この災いまだ露れず、この難いまだ来らず。仁王経の七難の内、六難今盛んにして、一難いまだ現ぜず。いわゆる、四方の賊来って国を侵すの難なり。しかのみならず、『国土乱れん時はまず鬼神乱る。鬼神乱るるが故に万民乱る』と。今この文に就いてつぶさに事の情を案ずるに、百鬼早く乱れ、万民多く亡ぶ。先難これ明らかなり、後災何ぞ疑わん。もし残るところの難、悪法の科によって並び起こり競い来らば、その時いかんがせんや。帝王は国家を基として天下を治め、人臣は田園を領して世上を保つ。しかるに、他方の賊来ってこの国を侵逼し、自界叛逆してこの地を掠領せば、あに驚かざらんや、あに騒がざらんや。国を失い家を滅ぼさば、いずれの所にか世を遁れん」等云々〈已上、立正安国論の言なり〉。
 今、日蓮重ねて記して云わく、大覚世尊記して云わく「『苦得外道は、七日有って死すべし。死し