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(039)
当体義抄送状
文永10年(ʼ73) 52歳 最蓮房
問う。「当体の蓮華解し難し。故に譬喩を仮りてこれを顕す」とは、経文に証拠有るか。
答う。経に云わく「世間の法に染まらざること、蓮華の水に在るがごとし。地よりして涌出す」云々。地涌の菩薩の当体蓮華なり。譬喩は知るべし。以上。後日にこれを改め書すべし。この法門は、妙経所詮の理にして、釈迦如来の御本懐、地涌の大士に付嘱せる末法に弘通せん経の肝心なり。国主信心あらんの後始めて申すべきの秘蔵の法門なり。日蓮、最蓮房に伝え畢わんぬ。
日蓮 花押
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(039)当体義抄送状 | 文永10年(’73) | 52歳 | 最蓮房 |