SOKAnetトップ

『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 一期を過ぐること、程も無ければ、いかに強敵重なるとも、ゆめゆめ退する心なかれ、恐るる心なかれ。
 たとい頸をば鋸にて引き切り、どうをばひしぼこをもってつつき、足にはほだしを打ってきりをもってもむとも、命のかよわんほどは、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と唱えて、唱え死にに死ぬるならば、釈迦・多宝・十方の諸仏、霊山会上にして御契約なれば、須臾のほどに飛び来って、手をとり肩に引っ懸けて霊山へはしり給わば、二聖・二天・十羅刹女は受持の者を擁護し、諸天善神は天蓋を指し旛を上げて我らを守護して、たしかに寂光の宝刹へ送り給うべきなり。あらうれしや、あらうれしや。
  文永十年癸酉五月 日    日蓮 花押
 人々御中へ
  この書、御身を離さず常に御覧あるべく候。