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また、内典をもってこれを勘うるに、仏たしかにこれを記したもう。「我、三聖を遣わして、彼の真旦を化す」と。仏、漢土に仏法を弘めんがために、まず三菩薩を漢土に遣わし、諸人に五常を教え、仏経の初門となす。
これらの文をもってこれを勘うるに、仏法已前の五常は仏教の内の五戒と知る。
疑って云わく、もししからば、何ぞ、選択集を信ずる謗法の者の中に、この難に値わざる者これ有るや。
答えて曰わく、業力は不定なり。現世に謗法を作し、今世に報有るは、即ち法華経に云わく「この人は現世に白癩の病を得ん乃至諸の悪重病あるべし」。仁王経に云わく「人、仏教を壊らば、また孝子無く、六親不和にして天神も祐けず、疾疫・悪鬼、日に来って侵害し、災怪首尾し、連禍あらん」。涅槃経に云わく「もしこの経典を信ぜざること有らば○もしは臨終の時、荒乱し、刀兵競い起こり、帝王の暴虐、怨家の讐隙の侵逼するところとならん」已上。順現業なり。
法華経に云わく「もし人信ぜずして、この経を毀謗せば○その人は命終して、阿鼻獄に入らん」、仁王経に云わく「人、仏教を壊らば○死して地獄・餓鬼・畜生に入らん」已上。順次生業なり。順後業等はこれを略す。
疑って云わく、もししからば、法華・真言等の諸大乗経を信ずる者、何ぞこの難に値うや。
答えて曰わく、金光明経に云わく「枉げて辜無きに及ぼさん」。法華経に云わく「横しまにその殃いに羅らん」等云々。止観に云わく「似解の位は、因の疾少軽なれば道心転た熟すれども、果の疾な
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(024)災難興起由来 | 正元2年(’60)2月上旬 | 39歳 |