『日蓮大聖人御書全集　新版』全文検索

足し正法を護持し、法を壊る者を見て即ち能く駆遣し呵責し徴治せん。当に知るべし、この人は福を得んこと無量にして称計すべからず」。また云わく「もし善比丘あって、法を壊る者を見て、置いて、呵責し駆遣し挙処せずんば、当に知るべし、この人は仏法の中の怨なり。もし能く駆遣し呵責し挙処せば、これ我が弟子、真の声聞なり」已上。
　予、仏弟子の一分に入らんがために、この書を造り、謗法の失を顕し、世間に流布す。願わくは十方の仏陀、この書において力を副え、大悪法の流布を止め、一切衆生の謗法を救わしめたまえ。

　大文の第五に、善知識ならびに真実の法には値い難きことを明かさば、これについて三つ有り。一には受け難き人身、値い難き仏法なることを明かし、二には受け難き人身を受け値い難き仏法に値うといえども、悪知識に値うが故に三悪道に堕つることを明かし、三には正しく末代凡夫のための善知識を明かす。
　第一に、受け難き人身、値い難き仏法なることを明かさば、
　涅槃経三十三に云わく「その時、世尊は、地の少しの土を取ってこれを爪上に置いて、迦葉に告げて言わく『この土多しや、十方世界の地の土多しや』。迦葉菩薩、仏に白して言さく『世尊よ。爪上の土は十方のあらゆる土に比せざるなり』と。『善男子よ。人有って、身を捨てて還って人身を得、三悪の身を捨てて人身を受くることを得、諸根完く具して中国に生まれ、正信を具足して能く道を修習し、道を修習し已わって能く正道を修し、正道を修し已わって能く解脱を得、解脱を得已わって能