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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(022)

爾前二乗菩薩不作仏事

 正元元年(ʼ59) 38歳

 問うて云わく、二乗の永不成仏の教えに菩薩の作仏を許すべしや。
 答えて云わく、楞伽経第二に云わく「『大慧よ。何者か無性乗なる。謂わく一闡提なり。大慧よ。一闡提とは涅槃の性無し。何をもっての故に。解脱の中において信心を生ぜず、涅槃に入らず。大慧よ。一闡提とは二種あり。何らをか二つとなす。一には一切の善根を焚焼す。二には一切衆生を憐愍して一切衆生界を尽くさんとの願を作す。大慧よ。いかんが一切の善根を焚焼する。謂わく、菩薩蔵を謗じてかくのごときの言を作す。彼は修多羅・毘尼・解脱に随順する説にあらずと。諸の善根を捨つ。この故に涅槃を得ず。大慧よ。衆生を憐愍して衆生界を尽くさんとの願を作す者、これを菩薩となす。大慧よ。菩薩は方便もて願を作す。もし諸の衆生、涅槃に入らずんば、我もまた涅槃に入らじと。この故に菩薩摩訶薩は涅槃に入らず。大慧よ。これを二種の一闡提と名づく。涅槃の性無し。この義をもっての故に、決定して一闡提の行を取る』。大慧菩薩、仏に白して言さく『世尊よ。この二種の一闡提、何らの一闡提か常に涅槃に入らざる』。仏、大慧に告げたまわく『菩薩摩訶薩の一闡提は常に涅槃に入らず。何をもっての故に。よく一切諸法は本来涅槃なりと知るをもって、この故に涅