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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

良に以有るなり。請う、尋ね読まん者、心に異縁無かれ」文。また云わく「妙境の一念三千を明かさずんば、いかんぞ一に一切を摂むることを識るべけん。三千は一念の無明を出でず。この故に、ただ苦因苦果のみ有り」文。また云わく「一切の諸業は、十界・百界千如・三千世間を出でざるなり」文。
 籤の二に云わく「仮は即ち衆生、実は即ち五陰、および国土、即ち三世間なり。千の法は皆三なり。故に三千有り」文。弘の五に云わく「一念の心において、十界に約せずんば、事を収むること遍からず。三諦に約せずんば、理を摂むること周からず。十如を語らずんば、因果備わらず。三世間無くんば、依正尽きず」文。記の一に云わく「もし三千にあらずんば、摂むること則ち遍からず。もし円心にあらずんば、三千を摂めず」文。
 玄の二に云わく「ただし衆生法ははなはだ広く、仏法ははなはだ高し。初学において難しとなす。心は則ち易しとなす」文。弘の五に云わく「初めに華厳を引くは、『心は工みなる画師の種々の五陰を造るがごとく、一切世界の中に法として造らざることなし。心のごとく仏もまたしかなり。仏のごとく衆生もしかなり。心、仏および衆生、この三つは差別無し。もし人、三世の一切の仏を知らんと欲求せば、応当にかくのごとく観ずべし、心は諸の如来を造ると』と」。金錍論に云わく「実相は必ず諸法、諸法は必ず十如、十如は必ず十界、十界は必ず身土なり」文。

三身釈のこと
 まず法身とは、大師、大経を引いて「一切の世諦は、もし如来においては即ちこれ第一義諦なり。