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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

全くもちいべからず。一代聖教のおきてに違い、三世十方の仏陀の誠言に違する故に。いおうや、そのぎ無し。しかるに、後の人々の消息に、法華経を難行道、経はいみじけれども末代の機に叶わず、謗ぜばこそ罪にてもあらめ、浄土に過って法華経をば覚るべしと云々。日蓮が心は、いかにもこのことはひが事と覚ゆるなり。こう申すもひが事にやあるらん。能く能く智人に習うべし。
  正嘉二年二月十四日    日蓮撰す。

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一念三千理事

 正嘉2年(ʼ58) 37歳

十二因縁図
 問う。流転の十二因縁とは何らぞや。
 答う。一には無明。俱舎に云わく「宿惑の位は無明なり」文。無明とは、昔愛欲の煩悩起こりしを云うなり。男は父に瞋りを成して母に愛を起こす。女は母に瞋りを成して父に愛を起こすなり。俱舎の第九に見えたり。
 二には行。俱舎に云わく「宿の諸業を行と名づく」文。昔の造業を行とは云うなり。業に二つ有り。