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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 華厳経は三七日の間の説、阿含経は十二年の説、方等・般若は三十年の説。已上、華厳より般若に至るまでは四十二年なり。山門の義には、方等は説時定まらず説処定まらず、般若経三十年と申す。寺門の義には、方等十六年、般若十四年と申す。秘蔵の大事の義には、方等・般若は説時三十年、ただし方等は前、般若は後と申すなり。
 仏は十九出家、三十成道と定むることは、大論に見えたり。一代聖教五十年と申すことは、涅槃経に見えたり。法華経已前四十二年と申すことは、無量義経に見えたり。法華経八箇年と申すことは、涅槃経の五十年の文と無量義経の四十二年の文の間を勘うれば八箇年なり。已上、十九出家、三十成道、五十年の転法輪、八十入滅と定むべし。
 これらの四十二年の説教は、皆、法華経の汲引の方便なり。その故は、無量義経に云わく「我は先に道場菩提樹の下に端坐すること六年にして、阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得たり○方便力をもって、四十余年にはいまだ真実を顕さず○初めに四諦〈阿含経なり〉を説いて、次に方等十二部経・摩訶般若・華厳海空を説く」文。
 私に云わく、説の次第に順ずれば、華厳・阿含・方等・般若・法華涅槃なり。法門の浅深の次第を列ねば、阿含・方等・般若・華厳・法華涅槃と列ぬべし。されば、法華経・涅槃経には、かくのごとく見えたり。
 華厳宗と申す宗は、智儼法師・法蔵法師・澄観法師等の人師、華厳経に依って立てたり。俱舎宗・成実宗・律宗は、宝法師・光法師・道宣等の人師、阿含経に依って立てたり。法相宗と申す宗は、玄