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十信 退位 凡夫菩薩。いまだ見思を断ぜず
十住
十行 不退位 見思・塵沙を断ぜる菩薩
五十二位 十回向
十地 無明を断ぜる菩薩
等覚
妙覚 無明を断じ尽くせる仏
この教えは大乗なり。戒・定・慧を明かす。戒は前の蔵・通二教に似ず、尽未来際の戒、金剛法戒なり。
この教えの菩薩は、三悪道をば恐ろしとせず、二乗の道を三悪道と云う。地・餓・畜等の三悪道は仏の種子を断ぜず、二乗の道は仏の種子を断ず。大荘厳論に云わく「つねに地獄に処るといえども、大菩提を障えず。もし自利の心を起こさば、これ大菩提の障りなり」。この教えの習いは、真の悪道とは三無為の火阬なり、真の悪人とは二乗を立つるなり。されば、「悪をば造るとも、二乗の戒をば持たじ」と談ず。
故に、大般若経に云わく「もし菩薩、たとい恒河沙劫に妙なる五欲を受くとも、菩薩戒においてはなお犯と名づけず。もし一念に二乗の心を起こさば、即ち名づけて犯となす」文。この文に「妙なる五欲」とは、色・声・香・味・触の五欲なり。色欲とは青黛・珂雪・白歯等、声とは糸竹管絃、香とは
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(017)一代聖教大意 | 正嘉2年(’58)2月14日 | 37歳 |