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舎宗と申す宗有り。また諸の大乗にこの法門少々明かしたることあり。謂わく、方等部の経、涅槃経等なり。ただし、華厳・般若・法華にはこの法門無し。
次に通教〈大乗の始めなり〉。また戒・定・慧の三学あり。この教えのおきて、大旨は六道を出でず。少分利根なる菩薩、六道より外に推し出だすことあり。声聞・縁覚・菩薩、共に一つ法門を習い、見思を三人共に断ず。しかれども声聞・縁覚、灰身滅智の意いに入る者もあり、入らざる者もあり。
この教えに十地あり。
一、乾慧地 三賢 賢人
二、性地 四善根 見道の位
三、八人地 聖人
四、見地 初果の聖人 見惑を断ず
十地 五、薄地
六、離欲地 思惑を断ず
七、已弁地 阿羅漢 見思を断じ尽くす
八、辟支仏地 見思を尽くす
九、菩薩地
十、仏地 見思を断じ尽くす
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(017)一代聖教大意 | 正嘉2年(’58)2月14日 | 37歳 |