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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

つにあらず。法定まり国清めり。その功を論ぜば、源、「已今当」の文より出でたり。
 その後、弘法・慈覚・智証の三大師、事を漢土に寄せて「大日の三部は法華経に勝る」と謂い、あまつさえ教大師の削るところの真言宗の宗の一字、これを副えて八宗と云々。三人一同に勅宣を申し下して日本に弘通し、寺ごとに法華経の義を破る。これひとえに、「已今当」の文を破らんとして、釈迦・多宝・十方の諸仏の大怨敵と成りぬ。しかる後、仏法漸く廃れ、王法次第に衰え、天照太神・正八幡等の久住の守護神は力を失い、梵帝・四天は国を去って、すでに亡国と成らんとす。情有らん人、誰か傷み嗟かざらんや。詮ずるところ、三大師の邪法の興る所は、いわゆる東寺と叡山の総持院と園城寺との三所なり。禁止せずんば、国土の滅亡と衆生の悪道と疑いなきものか。予ほぼこの旨を勘え国主に示すといえども、あえて叙用無し。悲しむべし、悲しむべし。